白亜紀後期(約8,000万年〜9,000万年前)に、現在の中国地方(当時はアジア大陸の東縁付近にあった)の地下深部で生成された巨大な岩体。
生成要因
1. イザナギプレートの速い沈み込み速度
現在の太平洋プレートが日本海溝に沈み込む速度は年間約8〜10cmであるのに対し、当時のイザナギプレートは、その3倍以上、年間30cm近い猛スピードで大陸の下へ滑り込んでいたと推定される。
高速で沈み込むことで、プレート境界での摩擦熱が激増。さらにプレートが大量の海水を含んだまま高速で深部へ運ばれるため、マントルの融点を下げる「水」が効率よく供給され、爆発的にマグマが発生した。
2. 沈み込み角度の「フラット化(低角化)」
イザナギプレートは非常に若くて熱く、浮力が強かったため、大陸の下へ潜り込む角度が非常に浅くなった。
角度が浅いと、沈み込んだプレートがマントルと反応する領域が大陸の奥深くまで広がり、火成活動が広域化した。
これにより、海岸線から遠く離れた内陸部(現在の中国地方全域)に至るまで、巨大なマグマの海(広島花崗岩の素)が広範囲に形成された。
3. 「火の回廊」の終焉とプレートの消滅
広島花崗岩(8,000万年前)が形成された後、この活動は突如として変化する。
イザナギプレートはあまりに速く沈み込みすぎたため、最終的にユーラシア大陸の下へ「飲み込まれて消滅(全沈没)」したとされる。
その後、次にやってきた「太平洋プレート(古太平洋プレート)」へとバトンタッチされ、火成活動の主役は北側の山陰帯へと移っていった。