西南日本を九州東部から関東へ横断する世界第一級の断層。
約1,000km以上にわたって延びており、地質学的に日本を「内帯」と「外帯」に分ける重要な境界線となっている。
日本列島がまだ大陸の東縁にあった時代にイザナギプレートの沈み込みによってできた大地の「古傷」。
1.形成
ジュラ紀の末から白亜紀の初め(約1億4,000万-1億年前)、日本列島の元となる大地はまだアジア大陸の東の縁であり、そこに中央構造線の原型となる断層の横ずれ運動が起こった。
横ずれ運動はイザナギプレートがユーラシアプレートに対してほぼ平行に北上したために起こり、より南にあった北海道西部・東北日本・西南日本外帯に当たる部分が北上した。
この運動により、それまで離れて存在していた領家変成帯と三波川変成帯が大きくずれ動いて接するようになった。
この時形成されたのは古期中央構造線と呼ばれている。
また、この断層運動の時期は鹿塩時階と呼ばれており白亜紀中期にあたると考えられている。
領家変成帯に属する岩石は衝上断層によって南側に移動し、三波川変成帯に属する岩石に乗り上げた。断層の角度は極めて低く水平に近かったとも考えられている。
2. 地質学的な役割
・日本を二分する境界
中央構造線を境に、北側と南側では岩石の種類や成り立ちが全く異なる。
・内帯(北側・日本海側)
領家変成帯。高温低圧型の変成岩や花崗岩が中心。
・外帯(南側・太平洋側)
三波川変成帯。低温高圧型の変成岩(青色片岩など)が中心。
かつてアジア大陸の縁にあった異なる地質が、プレートの運動によってこの境界で接合された。
3. 現在の活動
・巨大な「活断層」
中央構造線は単なる過去の境界ではなく、現在も動いている活断層としての側面を持つ。
・右横ずれ
特に四国から紀伊半島にかけての区間は非常に活動的で、地形を数km単位で右方向にずらしている。
・地震のリスク
将来的にマグニチュード8級の巨大内陸地震を引き起こす可能性があると予測されており、政府の地震調査委員会によって厳重に監視されている。
4. 地形に見る特徴
・衛星写真や地図で見ると、中央構造線に沿って直線的な谷や崖が続いているのがわかる。
長野県の鹿塩(かしお)付近では断層が露出しており、破砕された岩石(マイロナイト)を観察できる。
徳島県の吉野川の直線的な流れは、まさに中央構造線の断層谷に沿ったもの。