昨年、島根県の奥三瓶峡の滝が、地元上山(うやま)の有志の方々の尽力によって周囲の木々が伐採され、林道からもその姿を見ることができるようになった、との情報を得た。
これは是非行かねばなるまい、と考えていたのだが、なかなか機会に恵まれなかった。
先週も奥三瓶峡も考慮に入れつつ思案して、結局鳥取県のおおきりに再訪したのだが、今週こそは何としても奥三瓶峡に行ってみよう。
久々に国道54号線を北上して赤名峠を越え、赤名から県道166号を進んで、美郷町に向かっていく。
途中、美郷町のシャクナゲパークに寄り道。
美郷町九日市のシャクナゲパーク
ついでにシャクナゲパークの向かい側にある坊主滝も見ておこう。
道路からの坊主滝
なかなか豪快かつ立派な滝である。
長靴に履き替え、下に降りる準備を整える。
ところがどっこい(-.-;)
どうやら足場が崩れてしまって川に降りられなくなっている感じだ。
今回は下に降りるのはやめておく。
滝付近の川沿いは絶壁で危険なので、現時点どうしても近くから坊主滝を見たければ、下流から遡上するしかなさそうだ。
坊主滝は、今回の私にとってはそこまで時間と労力を注ぎ込む対象目標ではないので、崖の上からのチラ見で済ませておく。
坊主滝を後にすると、沢谷駅の手前から県道166号と別れて右折し、千原川沿いに進んでいく。千原温泉と表示がある筈だ。
奥三瓶峡は大田市と美郷町にまたがる千原川の渓谷で、私は下流側から林道を進んだことになる。
急峻な渓谷沿いを進んでいくと、右手に新しく設置された案内板があった。
割と目立つ案内板
少し通り過ぎた付近に邪魔にならないよう車を停める。
奥三瓶峡・岩根が滝と表記あり。
谷の下に立派な滝が見える。
私も10年前くらいにここを訪れているが、以前は雑木に覆われ瀑音こそすれども滝を視認出来なかった。
林道からは伐採されて地面の露出した斜面が谷下まで続いているが、斜面はとても急峻で、伐採作業も大変だったであろうと想像できる。
見える範囲での滝の全景。
これでも向かって左側と上部が藪で見づらい。
木々の葉が茂る前の時期に来ることが出来なかったのが残念だ。
ところで、三瓶山の素晴らしい眺めが得られる志学展望公園にある案内マップに、奥三瓶峡の滝の記載がある。
案内マップの奥三瓶峡の部分。
案内マップに、付近の道路が千原川の左岸側に描かれているのは誤り(実際は右岸側に道路がある)ではあるが、これによると4つの滝が流れているとあり、岩根が滝が中段、下谷一の滝が下段、とあり、狩子の滝と中の滝の記載もある。
上部をアップで(これが中の滝か?)
ナンジャコリャーみたいな感じもしなくはない(人◕ω◕)
これが中の滝であるならば、さらに上流側に狩子の滝があるのだろうか?
もっとも、案内マップを見たのが滝を見た後なので、撮影時点では岩根が滝は三段に落ちる壮大な滝だと思っている。
見える範囲での中段(これが岩根が滝だろうか?)。
この滝は、林道からは一番メインに見えている部分だ。
少し拡大。
遠望ではあるが、10~20mの落差がありそうだ。
若干角度を変えて落ちる下の滝。
これが下谷一の滝なのか?
いずれにせよ、滝の呼称の結論は、地元の方々の判断を仰ぎたい。
最後に全景を撮っておく。
このような素晴らしい滝が藪の中に埋もれ、そして数十年の時を経て再び姿を現す。それ自体がドラマチックなことだが、荒廃していく中山間地域を考える時、こうした地元の財産を見直そうとする方々の尽力には頭が下がると同時に、とても嬉しくてならない。
タニウツギ。
この時期を象徴する花だが、広島など瀬戸内海側ではあまりお目にかかれず、日本海側(島根・鳥取・兵庫県の但馬地方)であれば、どこにでもある印象。
もう一丁。
田植えの時期に咲くので田植え花とも呼ばれるそうな。
志学展望公園。
三瓶の山々がとても綺麗に見える場所で、件の案内マップもここにある。