帝釈峡

GW後しばらくして、我が家では”帝釈に行きたい”とのリクエストがあり、今回出かけることとあいなった。
帝釈峡は私も12年近く前に来て以来なので、随分久しぶりで楽しみだ。

中国道の東城インターで降り、県道23号線を庄原に戻る形で進んで上帝釈の遊歩道入口の駐車場に車を置く。駐車料金400円也。

土産屋兼食事処とか釣堀がある所を過ぎると、帝釈川沿いに遊歩道が続いていく。

未舗装だが、自動車でも走れる道幅で歩きやすく、駐車場の所の土産屋でレンタル自転車を借りれば楽チンかつ短時間で散策することも可能。

歩きだしてすぐに左手にあるのが白雲洞。

山口県や岡山県にあるような鍾乳洞と比べてしまうと、規模は悲しいほど小さいが、広島県では珍しい、れっきとした鍾乳洞。
子供の時分に白雲洞の中に入ったことがあるが、既に記憶は忘却の彼方にある。

今回は洞窟散策はパスして先に進む。

GWを過ぎると、あっという間に山の緑が深くなった。

鬼の唐門

大昔ここが鍾乳洞だった名残が、石灰岩のトンネルで残っているもの。

唐門に近づいてみた図

奥の森から唐門を通りぬけてくる風が、非常に涼しくて気持ちが良い。

鬼の供養塔

高さ10mあまりの石柱。

行く手に大きな岩壁が見えてくる。

上帝釈の”白眉”ともいうべき”雄橋(おんばし)”まで、遊歩道で約1Kmあまりの道のりだ。

雄橋(白雲洞から1Km)デジカメ時刻12:44。

かつて鍾乳洞だった名残が、天然の巨大な石橋となって帝釈川を跨いでいるもの。
位置付け的に”支線”にある鬼の唐門とは、帝釈川沿いの”本線”にあるだけに、こちらが圧倒的に大きく、現地の案内板には”日本一の天然橋です”と記載がある。

今回は動画も添付してみる。

通過して下流側から雄橋を写す。

全国的には全然知られていないだろうが、わが広島県にもこうした自然が作り出した素晴らしい景観があることを強調しておきたい。
※ちなみに”雌橋”ももっと下流にあるのだが、現在は遊歩道が通行不能の為、歩いていくことは出来ないらしい。

さらに進んでいく。

断魚渓と呼ばれる急流の手前に東屋があり、そこで弁当タイム。

断魚渓(雄橋から300m下流)。

帝釈峡で唯一急流部分となっている箇所。

縦レイアウトの写真も追加。

島根県の邑南町にも同名の急流・渓谷があるが、規模は断然あちらが上。
帝釈峡は帝釈川が石灰岩台地を深く浸食した渓谷だが、意外にも急流になって激しく水が流れる箇所は少ない。

さらに行くと鱒の養殖場があり(雄橋から600m)、そこから遊歩道は狭くなる。
自転車での通行は難しいと思われるが、400m行くと素麺滝がある。

素麺滝の上部。

既に木々の葉で全容がわかりづらいが、帝釈川から33m上にある洞窟から流れ出た水が帝釈川の右岸に落水しているのが素麺滝。

下部は河原から良く見える。

向かって左の水の流れは滝の名前の由来を感じさせる趣。

向かって左の流れを。

5月に入って以降、雨が少ないせいか、元々水が少ないのかわからないがこんな感じ。
洞窟が水の供給源というのも珍しい滝ではあるし、帝釈峡の滝らしくもある。

右側の流れは岩穴から直接落水している。

洞窟というほどの大きさではないが、石灰岩に開いた穴から水が流れ出ている。

少しでも行った気になって頂ければ・・・

帝釈川沿いの河原の雰囲気を・・・デジカメ時刻14:09。

遊歩道は随分前からだが、素麺滝から先は通行できなくなっている。
今は養魚場付近から山道でトラバースする道があって神竜湖に行けるようだが、川沿いを迂回している為に雌橋は見ることが出来なくなっている。
その上、下流にダムが出来た(出来たのは100年近く前だが)為に、土砂の堆積が進み、ダム湖の満水時には雌橋は水没するようになったとのこと。
雌橋を見るには、渇水のタイミングでカヤックで行くしか現時点方法はないとのことである。

とりあえず来た道をそのまま戻る。
断魚渓を過ぎたあたりで、突如ガサガサッと音がして、前方の遊歩道に長さ2mあまりの折れた木の枝が落下した。

枝を折った”犯人”が中央付近に写っている。

威嚇しているのか、木の上で異様な鳴き声を発していた”犯人”の正体は野生のニホンザル。

上写真の中央付近をトリミング。

油断していたのか突如人間が接近してきた為に恐慌をきたして、別な木に飛び移ろうとした時に枝が折れたのらしい。

雄橋まで戻る。デジカメ時刻14:49。

久しぶりの帝釈峡だったが、往復約3時間半の気持ちの良いトレッキングだった。

帰路は県道23号線を庄原に向けて走り、庄原インターから中国道を走った。